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【新企画】リモートでおもてなし(第一回)

おもてなし府中実行委員会では、コロナ影響下でも出来る「おもてなし」はないか?と考え、日本で活躍する外国人の夢を応援することを通じて府中の皆さんと海外との交流を進めたいと考えています。

第一回はインドネシアの ワオデ ハニファー イスティコマー (Waode Hanifah Istiqomah)さん。一橋大学の留学生です。(インタビューは:おもてなし府中実行委員会 山根・平岡)

Y(やまね):自己紹介をお願いします

H(ハニファーさん):ワオデ ハニファー イスティコマー (Waode Hanifah Istiqomah) といいます。インドネシアは多民族国家で、苗字ではなくニックネームのような呼び名を使います。外では、ワオデさんかオデさんと呼ばれることが多いですね。家の中ではあまり名前で呼ばれることはなくて、お姉さん、お兄さんを意味するカッカと呼ばれています。

Y:日本に来た理由を教えてください

H:実家はジャカルタのそばのタンゲランという町です。幼稚園から高校まで過ごした後、インドネシア大学の日本語学科で学び現地の日本企業に就職しました。当時インドネシアにはコンビニがなく、日本の大手コンビニチェーンが進出しようとしており、おにぎりなどの食料品を提供しようと考えた日本人オーナーが経営していた会社です。そこでの私の仕事は主に経営者と現地の労働者の通訳と事務です。

そのうちに、やはり日本で留学したい気持ちが高くなり、転職して通訳の仕事をしながら準備を重ね、2016年に一橋大学に留学する事になりました。大学では国際社会学を学び、主にインドネシア人の就労についての研究を進めています。

Y:日本の印象はどうでしたか?

H:日本語は難しい!ということでした。大学時代、就職先で学んでいたつもりでしたが、簡単な会話は問題ありませんが、学術的な事、専門用語は分からないことが多いですね。大学入学時は、授業で出てきた分からない漢字をすべてノートに書いて、赤ペンを入れながら調べていました。今思い出しても相当頑張っていたと思います(笑)

二つ目は生活と価値観の違いに対する不安でした。当時はイスラム国の話題が多い時期でしたので偏見を持たれたりはしないかとか、差別を受けないか心配でした。また、食べ物についても情報が少なかったので事前に調べて持っていきました。荷物の半分以上は食料品ではなかったかと思います(笑)

でも、そんな不安が解消できたのは国際交流会館のおかげです。寮のオリエンテーションではムスリム食材、ハラル対応をされているお店の情報をもらいましたので、安心したことを覚えています。

Y:府中の印象はどうですか?

W:私はあまり外を出歩かないので、最初はよく知りませんでした。友達が府中の映画館を利用することを聞いていた程度です。友人の中には積極的に外出する子もいて「ゆかたを着たい」との話を聞いていました。そんな中で山根さんから「よさこいin府中」のお知らせを聞いたので友人に話したところ、ぜひ一緒に行こうとなったのがきっかけでした。そこで大国魂神社の事を初めて知り、府中の皆さんと交流することで親しみがわいてきました。

(2019年8月24日 よさこい㏌府中 浴衣を着て留学生仲間と散策)

Y:最近の楽しみは何ですか?

H:研究に対する意欲が高まっています。昨年はコロナで外出もできなくなり、研究もなかなか進まない日が続きましたが、最近ではニューノーマルへの対応にも慣れてきました。卒業に向けて悔いのない時間を過ごすことに集中しています。

Y:日本に来ている留学生との生活の中で中で感じることはありますか?

H:多国籍の方が共同生活をしますので生活様式の違い、例えば食事、台所の使い方など様々です。自分で正しいと思っていることが相手にとってみると、そうでないこともしばしばです。多国籍だから、文化の違いがあるから仕方ないと考えるのではなくて、きちんと伝えることが大切で、例えばゴミ出しのルールが必要なのであれば、単にルールを伝えるだけではなく、その背景も含めて伝わるような工夫をすることが大切だと感じています。多国籍だけども、あくまでも一人一人と向き合う姿勢です。

Y:夢は何ですか?

H:とにかく今は研究を進めることです。私はインドネシア人の就労について研究を進めています。外国人労働者の就労についての課題は多いのですが、留学・就労だけではなくその前後の流れにも注目しながら研究を進めています。いつかは法律などの環境整備や、日本とインドネシア人の交流が進むことに貢献できればうれしいです。

Y:おもてなし府中として何かお手伝いできることはあるでしょうか?

H:インドネシアの技能実習生のお話を聞きたいので、府中にそうした方や会社があれば教えてほしいです。職場社会ではなく地域の方(おじいちゃん、おばあちゃん世代)からいろんなことを教えてもらいたいです。地域で様々な活動をされる方からのお話を聞きたいです。

もう一つは、留学生との交流の機会です。留学生の中には日本語に慣れていない人もいますし、様々な活動に制約があるので孤独感や閉塞感があるように感じています。目の前にある共有スペースが使えず対話の機会が減っていますし、例えばボランティアなどの情報はあるけど説明を受けることが出来ないので、参加するのをためらってしまう。そんな状況が少しでも軽減されるような交流の場があると良いと思います。

Y:故郷に関することで日本の方に伝えたいことはありますか?

H:個々人のつながりが大切だと思っています。インドネシアのことを知ってほしい、という話はよくありますが。私もそんなに詳しくありません。多くの留学生や実習生も同じではないかと思います。一方でインドネシアは多国籍国家で、90%はムスリムですが、それ以外の方もたくさんいます。大きなくくりでとらえるのではなく、一人一人を知っていただくことが大切だと思っています。

インタビューを終えて、、

(やまね)

オデさんとは2017年7月に初めてお会いしました。髪留をヒジャブに上手にあしらっていて、際立っておしゃれでした。優しい口調で初対面の私に向かって明るく笑顔で話しかけてくれましたね。最近はボランティア活動やワークショップなどでもご一緒する機会が増えました。オデさんファイト!!応援してますよ♪

(ひらおか)

日本語がめちゃくちゃ上手い!現地での学び、修学の中で感じた日本語力の向上心、留学生活の中で学ぶ国際交流の課題を的確にとらえ、しっかりとした想いをもって研究に取り組む姿勢が印象的でした。夢の実現に向けて頑張ってください!

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