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リモートでおもてなし(第五回)

おもてなし府中実行委員会では、コロナ影響下でも出来る「おもてなし」はないか?と考え、日本で活躍する外国人の夢を応援することを通じて府中の皆さんと海外との交流を進めたいと考えています。第五回はウクライナの ヤンナさんです。

(やまね):自己紹介をお願いします。

(ヤンナさん):ドゥブニコバ・ヤンナといいます。ウクライナ出身です。現在は一橋大学社会学部4年で社会心理学を学んでいます。

(やまね):日本に来たきっかけは何ですか?

(ヤンナさん):高校一年生の時に初めて一人で日本に来ました。13歳の時に日本語に興味を持ち独学で勉強を始めたのですが、中学時代の友達の影響でアニメにも惹かれるようになり朝から晩まで図書館で勉強するなど没頭していました。最初は不思議がっていた両親も次第に応援してくれるようになり、日本語の家庭教師から紹介してもらったホームステイしながら日本語学校で日本語を勉強できるプログラムで一か月間、日本に滞在しました。

(やまね):どうしてそんなに日本語に興味を持ったのですか?

(ヤンナさん):文学との出会いが大きく影響したと思います。江戸時代から明治時代の歴史を学んだ時に日本人の名前のリズムに興味を持ちました。ウクライナでは名前は三つのパートで構成されるのですが、日本は姓名の二部で構成されているのでリズムが良いと感じたのです。それから、文学の授業で芥川龍之介や川端康成の作品、そして自分の俳句を書いてみる宿題が出たときにも興味を持ちました。そのころは母と一緒に複雑ながら美しい俳句の世界を楽しむようになり、親子で日本語に親しむようになっていましたね。

(やまね):日本に来たのはこれが三回目と伺ったのですが?

(ヤンナさん):最初に来たのは15歳の時、次は18歳の時です。当時ウクライナの大学(キエフ国立大学、日本でいうと東京大学)で学んでいたのですが、森田先生という日本人の先生が九州大学のサマープログラムを紹介してくださいました。二か月間の短期留学なのですが、この時も九州の魅力に一目ぼれというか、ますます日本が好きになりました。

キエフ国立大学での研究のテーマは日本の方言、でした。現地でサポートしてくれた方が生粋の博多っ子で、博多弁の柔らかさ、優しいところに惹かれました。また、とにかくご飯がおいしい!(笑)。魚もいいし、自然、山、海、飽きなかったのを覚えています。その後20歳の時に一橋大学の留学が決まり現在に至っています。

(やまね):日本語弁論大会で優勝するなど日本語がとても上手ですね。

(ヤンナさん):18歳の時にはウクライナ日本センターの代表として出場し優勝しました。日本との出会い、特に日本文学との出会いについて話しました。もともとは独学で始めたのですが、勉強を始めて2年くらいでなんとなく話せるかな?と思えるようになりました。実は、最初に日本に行った時に新宿で迷子になったんです。その時に勇気を出して通りがかりの人に道を聞いてみたんです。カタコトの日本語が通じたことが自信になりました。帰国後にさらに勉強に力が入ったのを覚えています。やはりトライ&エラーが大切で、習ったことを実践し、間違ったところを修正することを繰り返すのが良かったのだと思います。

(やまね):故郷ウクライナの魅力を教えてください。

(ヤンナさん):

やはり自然が豊かなことですね。広大で畑がたくさんあります。ひまわりや麦などが一面に広がる風景は素晴らしいです。それから人々は自由で、おもてなし精神が旺盛です。日本人と似たところがあるかもしれません。お客様が来た時にはたくさんの料理でおもてなしをしますし、何日でも宿泊させてくれます。あとは古い建物が多く、ソ連時代からのものもあります。日本のような高層ビルはあまりありませんが、重要文化財のような建物が多いですね。

ヨーロッパの真ん中に位置し、古くから様々な民族が往来した歴史があるせいか、一人一人はしっかりと自分の考えを言う雰囲気はあります。ウクライナ人の日本に対する印象は良くて興味津々ですが、未だにスシ、サムライのイメージが残っていますね(笑)

(やまね):今日の洋服は民族衣装ですか?

(ヤンナさん):はい、コットンのようなナチュラルな素材に刺繍をまとった着物(ヴィシヴァンカといいます)。糸の色や刺繍の模様にそれぞれ意味があり、今日の赤色は愛、運命という意味があるそうです。刺繍はお守りの意味があり、女性は袖にも、男性は前だけ刺繍を入れるようになっています。最近は普段から着ることはなくなってしまいましたが、行事がある時、例えば結婚式、入学式や卒業式などに着るものです。そして、実はわたしは刺繍をするのが得意なんですよ。

(やまね):今取り組んでいることや将来の夢を聞かせてください

(ヤンナさん):外交官を目指しています。大学ではゼミで社会心理学を学んでいますが、性格や国民性について研究を進める予定です。日本人のおとなしい性格にも興味があるので、外国人との比較もしながら学びを深めたいと思っています。将来的には日本に住みたい気持ちがあるのですが、いろんな国に行ってみたいですね。

インタビューを終えて

(やまね)

花育ワークショップでご一緒しました。ヤンナさんは細かい作業が大好きだそうです。日本のことを沢山勉強されたヤンナさんに対してウクライナの知識が少ないのでもっと勉強しないといけませんね!! ウクライナの刺繍は本当に素敵なので大好きです。(^^♪

(ひらおか)

日本人以上に日本の魅力も課題も勉強されていて感心しました。日本の文学、言葉のリズムに興味を持たれた点は外国語を学ぶ時のコツになるかもしれませんね。日本とウクライナにとどまらず世界との架け橋役になることをお祈りしています。

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