リモートでおもてなし(第六回)
おもてなし府中実行委員会では、コロナ影響下でも出来る「おもてなし」はないか?と考え、日本で活躍する外国人の夢を応援することを通じて府中の皆さんと海外との交流を進めたいと考えています。第六回はフランスの ステファンさんです。
(やまね):自己紹介をお願いします。
(ステファンさん):ステファン芝辻ペランです。フランス出身で2009年より府中市に住んでいます。仕事はエンジニアでロボット開発などにも携わっています。また、ノイズ・ミュージシャンとしてパフォーマンスをしています。
(やまね):日本に来たきっかけは何ですか?
(ステファンさん):情報工学の研究学会で知り合った東京大学の教授に招かれて、2001年に博士研究員として来日したのがきっかけです。当時住んでいたのは文京区の本郷でしたが、とてもいい所でした。フランス在住時からファンだったバンドのライブにも行くことが出来たので充実していましたね。
(やまね):府中や日本に対して感じていることは?
(ステファンさん):父親の仕事の関係で転勤が多く、フランス在住時は各地を転々としていましたので、現在の府中市は一番長く住んでいます(笑)。妻の実家が府中に古くからある家なので、自然な形で町内会の活動にも巻き込まれることになりました(笑)。町内の餅つき大会にその時に来日していたミュージシャン仲間と参加したこともあり、その友達も地域の皆さんも喜んでましたね。町内会の組長をしたこともあります。
府中は歴史があり、公園が多いので子どもといろいろ行ってます。競馬場内の公園もいいですね。卸売市場がにぎやかで好きです。ハロウィーンパーティーもしました。また、大國魂神社横のビアハウスKENというお店の常連です。
フランスにいたころ音楽や映画を通じて日本の事を知ることになり、日本文化にも興味を持ち始めました。伝統芸能というよりは、例えば1970年代の映画などが好きです。有名になる前の三池崇史監督の映画は当時からよく見ていました。
(やまね):音楽活動について教えてください
(ステファンさん):来日して数年経った2005年くらいから、アーティスト活動を始めました。楽器ができなければ、音楽活動はできないと思ってましたが、高円寺などの小さなライブハウスでいろいろなパフォーマンスを見て、楽器ができなければ自分で作ればいいと思い始めて、実践しました。当時はドイツ出身の友達とdroise(ドロイズ)というグループを作って活動していましたね。彼がいなければ始められなかったかも、僕は人付き合いが苦手というか、「出演したい!」とアピールしたりすることが苦手なので。
今はコロナの影響でライブに出演する機会が少ないですが、メルドルで自分のやりたいイベントをいつでもできる、実践の場が身近にあることは本当にありがたいです。イベント運営などは苦手なので、妻に任せていますが、これからもメルドルからの発信もやっていきたいです。
(やまね):故郷のことを教えてください
(ステファンさん):父が軍人だったので、幼少期は西ドイツやパリ郊外などに住んでいました。母がドイツの近くのアルザス地方出身で、両親宅はそこにあります。アルザス料理はドイツ料理に似ていますが、簡単に言うと肉とじゃがいもを使ったものが多いですね。白ワインも有名です。フランスは地方によって、さまざまな郷土料理があり美食の国です。
(やまね):将来の夢や日本でやりたいことは何ですか?
(ステファンさん):もっとアーティスト活動をしたいですね。ロボットがエフェクターのつまみを自動で動かし、自分は眺めている(笑)というパフォーマンスで、POTARというタイトルの作品です。レコーディングも行っていて、インターネットでリリースしています。
もっとレコーディングはやっていきたいですね。自由に行動出来るようになったら、以前のように海外に演奏ツアーに行きたいですね。
インタビューを終えて
(やまね)
ノイズにこだわった音づくりを回路設計からイメージを膨らますステファンさんの才能に驚きました。そしてお写真を拝見しながら府中人として世界へ発信し続けていることも知りました。奥様のutakoさんをみる控え目でやさしいステファンは素敵でした。(^^♪
(ひらおか)
仕事に、趣味にご自身の特技を活かしておられる点は同世代の生き方として感銘を受けました。アルザスワインを飲みながらライブパフォーマンスを楽しめる日が来ることを楽しみにしています。